フォルツァ(MF06)クーラント漏れ修理2012/10/29

愛車のMF06でちょっと買い物に行こうと走り出して10分ほどしたとき、なんか音がおかしいことに気づきました。なんかいつもと違う・・ブオーって音が違うような気がする・・ふと水温計を見ると、レッドゾーン直前。

ありゃーと道端に止めると、異臭とともに下からポタポタとクーラントが漏れてます。クーラントのリザーブタンクを開けてみるとほとんど無い・・
おもむろに辺りを見回し、100mほど向こうに飲料の自動販売機を発見。テクテクと歩いて「富士の天然水」を買い、とりあえずリザーブタンクに補給して一服。
さて、こりゃ買い物どころではない。とりあえずそろそろと水温計を気にしながら家に戻りました。

クーラントはCR-Vのラジエータ交換のときの余りがあるからいいとして、漏れを止めないとまずい。ここで頭に浮かんだのは、クルマのラジエータは社外品が色々あるから安いが、バイクはもちろん純正品しかない→高い、中古じゃ不安、何よりもスクーターなので交換は大変な作業になりそうだ・・

いや、まて。ラジエータとは限らん。まずは原因特定だと下からのぞいて見ても、カウリングの中は暗くて見えず、ライトで照らしてみてもよくわかりません。
しゃーない、ばらすか。後ろ側のでっかい白いカウリングを外すのは初めてですが、強い味方のサービスマニュアルもあります。
最近非常に気に入っているフレーズ、「やってできないワケがない、やらずにできるワケがない」とぶつぶつ言いながらバラシにかかりました。


【症状編】
うーむ、エンジンに漏れたクーラントが流れたあとがある。しばらく前から漏れてたんだろうな。


下からのぞくと、まさにポターリと。冷えているときは気づきませんでしたが、走行後に駐車するとポタポタと落ちています。なんで今まで気づかなかったかなー。


ラジエターキャップの横にも漏れたあとがある。色々チェックし、太いホースはOKで細めのホース2系統がダメ、と判定しました。


最もひどいのがここ。キャブレターの下側です。なんでクーラントのホースがキャブに?と思い、サービスマニュアル・パーツリスト・ネットを駆使して調べると、キャブヒーターという部品です。温まったクーラントでキャブをあっためる働きなんでしょう。なるほどねえ。



【検討編】
しかし、これは大変なことになった。手が入らん。これは反対側のスキマから撮った写真です。あんな奥かよ・・・


キャブ側から見てもムリそう。しかし一番距離的に近いのはここだ。ここからなんとかするしかない。


エアクリーナーを外して左後ろ側から見た図。こっちからもムリ。


下側から。ひー。


この時点で、ダメモトでとりあえず部品発注。ホース3点、ジョイント1点、チューブクリップ6点で部品代は1,000円足らず。この修理を頼んだら工賃の方がはるかに高いのは間違いない。



司令官に、「今回は場所が場所なんで手が入らない。直せるかどうか全く自信が無い。部品は取り寄せしているが、もしかしたらバイクは今週末でダメかもしれない。」と正直に言いました。


司令官「・・・はあー・・」
ため息の意味→(ドラ1(長男の意)の結納来月なのよ、来年には結婚式なのよ、お金かかるのよ、なんとしても直してちょーだい!直らなかったら原付だと思いなさいよ、をため息一発で表現された。)



【外装バラシ編】
シート外します。


外側3本のボルトとってキャリアを外します。ついでにカウルを止めている2本のボルトも。


シート奥のメンテナンスリッドの中にある白いカプラを外します。


前側のタッピング4本とります。


後ろの2本のビスを外すと、このフタみたいなのがとれます。


タッピング2本・ボルト2本とります。これでカウリングを止めているネジ類は全部のはずです。


シートロックのワイヤーを外します。なんかコツがあるんでしょうが、すごく苦労しました。


前のステップ部分の黒いカバーも邪魔になりそうだったので外しました。
なにせ矢印のあたりからしかアクセスできません。


この2本のタッピングをとり、ガソリンキャップ・クーラントリザーブタンクのゴムキャップもとって、ガコガコすると外れます。


こんな感じ。ここまで外したのは初めてだ。ふー。




【修理編】
上からも手を入れたいので、ラゲッジボックスのボルト類を外して持ち上げておきます。バッテリー・スターターリレー等、配線関係も適宜外しておきます。


ここで真剣に検討した選択肢は、
(1)キャブを外すか?
   (調整狂ったらやだなー。まともに外れそうもないしなあ。)
(2)キャブヒーターだけ外せないか?
   (ビスの頭にドライバー入る角度じゃねえなあ。)
(3)長い先曲がりラジペンを買ってきてホースだけ外せないか?
   (外せるかもしれないが、新しいの入れられそうもない・・)

この3つを念頭におき、あっちこっち突っついてみていると、キャブは割りと柔らかい付き方をしている・・下の方をひっぱってみると、1.5cmくらい底が手前に向くことに気づきました。めいっぱい傾ければ、キャブヒーターを止めているビスの頭になんとかドライバーが突っ込めそう。よおし、(2)だな。


iPadに入れたパーツリストを見ながら、新品部品をセットしておく。


ワイヤーを適当にかけ、フレームからひっぱる。うまい具合にビスがこっちを向きました。よしよし、いけそうだよー、おいちゃん。
ところが、このビスが固い。秘密兵器のインパクトドライバーでなんとか回った。やっぱ道具だ。


やりー。キャブヒータハズレター!このときの高揚感っつったら。「勝ち」を確信した瞬間。


苦労させてくれたな、おめーよ。朝から初めてお昼すぎ、苦節数時間。下の太いラジエターホースはインパクトドライバー入れるのに邪魔だったので外しました。


今回交換するホースの1本はラジエターキャップへのやつ、こっちがエンジンにいってるもう1本のところです。エンジン側のはさすがに熱でかなり劣化しており、ラジペンで外そうとしてポキッと折れました。ゴムの弾力はすっかりありません。やばかったよ、おいちゃん。


ホースを交換したキャブヒーターを戻すとき、最初にひっぱった部分はまずい(なぜかはやればわかる)ので、キャブ下側の問題なさそうなところで引っ張りなおしました。


おニューのホース部品。あー、安心だ。他のホース等は大丈夫そうだったのですが、ここまでばらすなら交換してもよかったか。まあいいや、この次ね。もうばらすのいやだけど。


今回の修理は、部品発注のための原因調査でばらし、いったん元に戻して部品到着までクーラント補充しながらしのぎ、ついで本ちゃん修理と、足掛け7日かかったのですが、交換した部品はたったこれだけ。折れているのはラジペンでつかんだ途端にポキッといきました。熱硬化・経年劣化恐るべし。
この記事がMF06メンテで誰かの役に立つといいなあ。

司令官に「直りました・・ふひー」と報告したら、小生の大好物コメント「さすがね、アナタ!」(その意味は、「原付にならなくてよかったね!」ですが。)
ちなみに我が家では、小生に何かを命じるときは「お願い、アナタ」、終わったときは「さすがね、アナタ」で終わること、になっております。