サケに思うこと2012/10/19


会社の若いのからいい日本酒をもらいました。N君、ありがとうね。
知る人ぞ知る「飛露喜」の廣木酒造(会津坂下)の「泉川大吟醸」です。
「飛露喜」という酒を小生は知らなかったのですが、義理の兄も日本酒好きで、正月に色々な酒をでかいクーラーに入れて持ってきて、毎年その中に入っています。聞けばかなり遠距離から仕入れてくるようです。
「飛露喜」はかなり有名になり、仙台でもあるところに行けばお目にかかれますが、この「泉川」の方は会津地元でしか売っていないようです。

ところで、小生ここ2ヵ月ほど食生活を改善しております。やはりデブをなんとかしないとイカンと思い、朝・昼はもうそれなりなので、一番肝心な夕食を変えました。もうね、基本「海藻・豆腐・キノコ」みたいな。
その前は「酒を飲むのは週末だけ」にしていたのですが、食事をそれにしたので「+カロリーオフの缶ビール1本」が定番になりました。要は毎日飲みたいんだろ?と思われても仕方ないんですが、「それはチガウ」と言っても信じてもらえん。

先日、夕食が「豆腐ステーキ、海藻サラダ、ところてん」で、豆腐ステーキの場合は早めにビールがなくなります。で、司令官に「泉川を味見するから持ってこい」と。
気のきかないヤツは「日本酒飲むのは週末に決まってる」と決め付けていたので、常温で味わう大吟醸になりました。
司令官も弱い割には日本酒大好きなので、小生の前に(!)(ご主人様の前に!!)くぴっと1杯。「う?むー。」
小生ちびり「む?むむー」
感想
     小生    司令官
常温   △      △


次の日、仙台もだいぶ肌寒くなり、湯豆腐登場。このへんは司令官をホメておく。さすがに気のきかないヤツも今度は冷やしておりました。
感想
     小生    司令官
冷 し   〇      ◎
司令官:「あら、おいしー!昨日と全然チガウ!!」
小生:「むむむー、なかなかいいではないか」
とろっとしてるタイプなんで好みなのでしょう。司令官は大好き、小生はさらっとしてるのが好きなんでその差かな。
常温と冷しでは別物になる酒と思いましたね。常温で飲みきらなくて良かった。さすが飛露喜の蔵の大吟醸、ではある。


こんなこともあり、晩酌しながらつらつら思いました。
日本酒業界の方には失礼な話かもしれませんが、以下小生の勝手なイメージなのでご容赦ください。
「にほんしゅ」:純米、吟醸等の基本冷やして飲む、どっちかというと高級なイメージの酒。
「サケ」:燗をつけて和風のシンプル料理で飲む、本醸造クラスの晩酌的な酒。
みたいなところがあります。

日本酒が凋落した、と言われ、復権してきた、とも最近は聞きます。上の考え方で言えば、「サケ」がウケなくなり、「日本酒」がウケてきたような気がします。などなどと素人なりに考えるとというか、酔っ払った頭にぽやーんと浮かんだとりとめない話が・・・


日本酒がサケの中心だった時代に酒蔵が造っていた酒があった(だろう)。
戦後、貧しかった時代、酔っ払えればいいという時代の酒があった(らしい)。
高度成長期、昔ながらの造り方では需要に追いつかず、他社の酒を桶買いしてブレンドまでして出荷されていた酒もあった(やに聞く)。
ましてお洒落な洋酒もアルコール市場(?)を喰うと。

そして出荷量を優先させた「いまいち日本酒」がはびこったこと等による「凋落」があり、人々の生活の余裕が生まれるに伴い本物志向的価値観が出てくる。
(粗悪な)日本酒に対してのベタベタする、二日酔いがひどい、臭い(はあ?)等々の悪評価を言う人が出てくるにつれ、日本酒とはそんなものではない的なところ、いい酒を造らなければ売れない・・・等々モロモロに対して努力した結果が「復権」につながってきた、という感じななんだろうかなーと。
純米、吟醸を造り、「どーだ!」「おー、すげー!」とか。
まーね、こんな単純な話でもないんだと思いますが、酔っ払らった小生的イメージでは、ということです。


学生時代のある1年間、一升瓶の日本酒しか飲まなかった時期がありました。それは新潟の「朝日山(当然当時の二級酒)」という酒で、当時下宿していた街の酒屋で「学生さん、この酒はアンタのために入れてるようなもんだね」と言われるほど買い占め、いきがってゲタはいて一升瓶を肩にかついで下宿に帰り、コップ酒で飲んでいたもんでした。(遠い目)
ちなみにこの1年間は19歳のときです。ごめんなさい(誰に?)。またまたちなみに、数年前にこの朝日山を近所のスーパーで見つけ、人知れず衝動買いしたものです。

朝日山1本やり1年間の後は、わ゛か者の例に漏れず、ビール大ジョッキゴキュゴキュ、お洒落な洋酒に流れ、30代が終わる頃まで日本酒とは縁の無い年月が流れました。この頃は、今はいない親父が熱燗の日本酒を好んで飲んでいるのを見て、横からかっさらって試してみても「なんじゃ、これは。よくこんなの飲むな」つー感じ。
その後、40歳を過ぎてからまた日本酒を飲み始めましたが、それは所謂「フルーティーな香り」の吟醸酒等に惹かれたからでした。

そして今。自分は昔の親父と同じ、ドラ息子が昔の自分と同じ感じになってます。オレ熱燗、ドラは冷やした吟醸(ナマイキな、ゼータクな、20年早えつーの!)。


あったかい時節はやりませんが、もう湯豆腐で熱燗が恋しく、前の冬に発見(自分的に)した「そば+熱燗」はこの冬も週末定番になるでしょう。そういえば今夜はドラ2(次男の意)のリクエストによる「ばあちゃんのおでん」。まあサケ飲むな。オレはあんまりおでんに魅力は感じないのだが。オレ湯豆腐派。

熱燗の場合、吟醸酒はモッタイナイ、というか向かない?んでしょうねえ。だいたい、ラベルに「常温で」「冷やして」って書いてあるのに燗つける度胸もありませんし。(前にやって後悔したことはある)
で、そこそこのサケを燗つけるワケです。このときのサケは本醸造クラス、つまり純米とかではなく、醸造用アルコールも入っている普通酒なんですが、常温で飲んで「ウマイ!」というサケではありません。それに熱燗をつける。スーパーで売ってる中で一番気に入った「そば」を司令官が「ざる」にする。


晩酌開始。薬味わさびだけのつゆにちょびっとだけつけたそばを一箸つるん。熱燗くぴっ。あああああ。
このときのサケの味はですな、日本酒だとかなんだとかでないんですな。もう「サケ」でもなく、「晩酌の味」としか表現できない。ううう、うめえ・・・って感じ。親父世代のオヤジたちが好んだのはコレか?きっとコレだろう、歴史は繰り返すか・・・
あ、吟醸酒キライなわけじゃないからね、念のため。